概要
博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)とは福岡県福岡市博多区で毎年7月1日から7月15日にかけて開催される700年以上の伝統のある祭である。櫛田神社にまつられる素戔嗚尊に対して奉納される祇園祭のひとつ。正式には櫛田神社祇園例大祭。博多どんたくとともに、博多を代表する祭りである。
福岡市博多区の博多部(那珂川と御笠川(石堂川)間の区域)で7月に行われる祭礼。国の重要無形民俗文化財に指定されている。山笠の掛け声「おっしょい」は1996年(平成8年)に日本の音風景100選に選ばれた。また、2016年(平成28年)12月1日、博多祇園山笠を含めた日本全国33件の祭が、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。
なお地域外の者からは福岡市が主催している祭りと誤解されがちだが、山笠は櫛田神社の氏子たちが行う奉納行事のひとつであり、地域の住人たちが伝統的に行ってきた町内行事である。このため当事者として祭りに参加できるのは、原則として地域住民および地域出身者のみである。
参加者や福岡市民などからは「山笠」「ヤマカサ」とも略称される。また、祭礼そのものを指す「山笠」と区別するため、神輿に相当する山笠を「山」「ヤマ」と称することがある。山笠を担いで市内を回ることを山笠を「舁く」(かく)と言い、担ぐ人のことを「舁き手」(かきて)と言う。
山笠期間中は行事参加者の間ではキュウリを食べることが御法度となる。一番根強い説としては「キュウリの切り口が櫛田神社の祇園宮の神紋と似ているから」というものがある。櫛田神社や京都・八坂神社など水天神系の神紋の図柄は木瓜(ボケ)の花である。また、「夏が旬のキュウリを断ってまで祭りに懸ける」という意気込みとの説もある。また、期間中の性交も御法度になる。
博多祇園山笠は女人禁制の祭りであり、旧来の流に於いては子供山笠も含めて舁き手は男性のみである。また女性は舁き手の詰め所に入れないしきたりとなっている。かつては舁き手の詰め所の入口に「不浄の者立入るべからず」と書かれた立て札が立てられる風習になっていた。この「不浄の者」は喪中の人と女性のことを指しているが、女性差別につながるとして2003年(平成15年)に立て札の設置は中止された。但し、代わりとして「関係者以外立入禁止」の掲示や仕切りは何らかの形でなされている。
櫛田神社祇園例大祭
7月1日~7月15日
櫛田神社
福岡県福岡市