概要
たてもん祭り(たてもんまつり)は、富山県魚津市の諏訪神社の夏季祭礼である。1970年(昭和45年)から魚津観光まつり(後にじゃんとこい魚津まつり)のイベントのひとつとなり、毎年8月の第1金曜日・土曜日の2日間に渡り行われている。2006年(平成18年)までは8月7日・8日に行なわれていた。なおこの祭礼は、国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
じゃんとこい魚津まつりのメインイベントでもある高さ約16mのたてもんは、諏訪神社氏子町7町内から7基のたてもんを曳き回し、航海の安全と大漁を祈願する行事で、定かではないが昔は9基から11基が曳かれていたといわれる。(昭和の初め頃は、元町、諏訪町1~5区と立町、下町、下新町の9町内から9基出ていたが、その後3町内(立町、下町、下新町)がいろいろな事情で出なくなり新興の港町が加わり7基となる。)たてもんの名称は、「神前に贄(にえ)〔神への捧げ物〕を供え捧げたてまつる物」という意味で、たてもんの山車は、獲れた魚(贄)を載せ、神様に捧げる帆掛け舟(漁船)を模ったものである。
たてもんの創始については、舟に贄(にえ)となる魚を高く積み上げ浜を引き回し、海の神に供え大漁を祈願したとされる言い伝えがあり、享保年間中頃(1720年頃)には台の上に提灯を吊るし担ぎ回したとされ、現在まで約300年続く行事である。北日本の「ねぷた」と、諏訪の「御柱祭」が融合した形式をとる。
1972年(昭和47年)10月5日に「たてもん」が富山県有形民俗文化財に指定。1981年(昭和56年)12月24日に「魚津浦のタテモン行事」として、記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択され、その後1997年(平成9年)12月15日には、「魚津のタテモン行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。また2006年(平成18年)には、「とやまの文化財百選(とやまの祭り百選部門)」に選定されている。
2016年(平成28年)10月には、18府県33件の「山・鉾・屋台行事」の中の1件として、ユネスコの無形文化遺産に登録勧告され、同年12月1日に登録された。
現在、世帯減少、少子高齢化進行による曳き手不足に悩んでおり、1998年(平成10年)より曳き手ボランティアを県内外より募り確保している。
たてもん祭り
8月
諏訪神社
富山県魚津市